
社内SEってなぜ勝ち組って言われているの?
といった疑問に答えます。
結論ですが、職業選択で勝ちとか負けとかはそもそもありません。年収であれば高い低いはありますが、それで誰が勝ったとかそういうのではないと思います。印象的なコメントが以下です。
もうやめました。
— きなこ🌷旅好き海外移住ライター✈︎ (@_kinako_15) July 25, 2021
「勝ち組、負け組と意識してない人が本当の意味の勝ち組。カズレーザー様」
◯◯ちゃんって勝ち組!とか昔はよく言ってた。その概念を捨てたら少し人生が行きやすくなったきがする☺️
自分自身で自分に呪いの言葉をかけてることってたくさんあることに気付いた😶#アラサー pic.twitter.com/r9Iug3uMZq
社内SEの仕事に就いたから勝ち組だ!とかはないです。一方、うらやましがられる要素であれば心当たりがあります。
日本のIT業界の構造は、約8割のIT人材はSierでシステムエンジニアやSESとして活躍しています(アメリカとは真逆の構造です)。そんな大多数のシステムエンジニアさんから見た社内SEは、隣の芝は青く見えるのかもしれません。
どのような社内SEのお仕事の特徴がそうよく見えてしまうのか、理由と実態を解説していきます。
そもそも本当の勝ち組とは?

本題に入る前に、勝ち組とは?に関しても定義します。
Twitterで勝ち組を調べると勝ち組とは、
・年収600万だから勝ち組だ!
・年収1000万だからもう勝ち組
みたいな書き込みを見かけます。
WIKIによると勝ち組とは?
勝ち組(かちぐみ)とは、第二次世界大戦の日本の降伏後も、日本の敗北を信ぜず、「日本は戦争に勝った」と信じていた在外日本人のグループのこと
想像してたのと違いますね。
本題に戻ります。
社内SEがシステムエンジニア・SESからみていいなーと思われる6つの理由

・年収が高い
・残業が少ない
・移動が少ない
・プレッシャーが少ない
・上流工程ができる
・暇そう
年収が高い
一般的な年収は465万円と言われています。一方社内SEの平均年収は510万円です。システムエンジニアと比較すると、システムエンジニアは550万円で、社内SEよりもSierのシステムエンジニアの方が高収入です。SESやプログラマーよりは全然社内SEは高収入と言えます(あくまで平均です)
分類 | 社内SE | システムエンジニア | SES | プログラマー |
---|---|---|---|---|
仕事内容 | 企画・開発・運用 | 企画・開発・運用 | 開発・運用支援 | コーディング |
平均年収 | 510万 | 550万 | 300万 | 400万 |
この点だけを切り取ると、システムエンジニアからは魅力的ではないじゃん!と思うかもしれません。
但し、社内SEでも大企業の求人では普通に1000万越えの求人はあります。わたしの周りにもゴロゴロいます。
doda で検索してみると、(2021年9月時点)
・社内SEで年収1000万以上の求人は441件
・システムエンジニアで1000万以上の求人は331件
社内SEの方が高額な求人が多いという結果です。
【doda 公式サイト】で求人をみる
残業が少ない
社内SEの働き方は、就職先企業の働き方に依存します。つまり、ブラックな企業であれば社内SEの働き方もブラックな傾向です。その逆もしかりです。
残業でいうと、大手を中心にかなり働き方改革が進み残業が少ない印象です。
Sierから見ると、そういった大企業の社内SE(Sier以上にもらってる人+残業が少ない人)はうらやましく映るかもしれません。
ちなみに、DXの波が押し寄せてきていてシステムエンジニア経験のある人材はどの事業会社でも喉から手が出るほど欲しいのが現状です。上手く事業会社の求める要素と自分の経験をマッチングさることができれば転職もそう難しくありません。詳しくは、こちらで解説している社内SEに専門性の高いエージェントに相談がいいと思います。
移動が少ない
システムエンジニアは基本プロジェクトベースで顧客先を転々とします(コロナ禍ではリモートになりこの部分のストレスは低減されましたが)。社内SEはプロジェクトの為、現法や倉庫等にヒアリングに出張とかがあっても、プロジェクトのたびに移動は聞いたことがありません。
プレッシャーが少ない
これは誤解です。しかし、なぜシステムエンジニア・SESがプレッシャーが少なそうと考えるのか解説します。システムエンジニアがお仕事で対峙するのが、社内SEです。人によっては社内SEから相当な風当たりを受けている人もいると思います。なので、社内SEなら楽そうと考えますが、社内SEの場合内部の人からのプレッシャーがあったりもするので一概にプレッシャーが少ないとはいえません。
ただし、Sierシステムエンジニアと社内SEの関係と、社内SEと内部の人では一緒にいる期間(関係性が継続する)ので比較的内部の人同士で波風をそんなに立てない傾向にあるのは事実です。さらに、長く仕事していると仲間意識が芽生えやすいのも事実なので半分くらいあってるかもしれません。
上流工程ができる
システムエンジニア・SESの方の中にはひたすらコードと向き合ったり、障害解消に明け暮れる役割の方もいらっしゃると思います。こういった立場の方からすると、社内SEに求められる役割的によりビジネスにより近い位置で、上流工程や企画できるのは魅力的とうつります。
暇そう
社内SEは相当広義な理解が必要です。
システムエンジニアの世界には、
・PM
・アプリエンジニア
・プログラマー
・データベースエンジニア
・運用
・ヘルプデスク
といった様々な役割があります。
社内SEは同じ仕事しているのに、会社によっては全てひっくるめ社内SE(情シス)とよぶ企業もあります 。
システムエンジニアさんが見ている情シスの方が、ヘルプデスクよりの方であれな問い合わせの無い時は暇そうに映るかもしれません。一方、企画よりの方であれば、毎日椅子に座って紋々としているのを暇と解釈するかもしれません。
暇を持て余すかどうかは本人次第かなと思います。
社内SEへの転職で気を付ける点

社内SEへの転職で気を付ける以下の点も解説します。
IT組織の成熟性
IT予算
上司
転職の仕方
IT組織の成熟性
事業会社のメインは、事業です。SierのようにITが主軸ではありません。大手ではITの重要性を理解し意欲的に組織強化をしている企業もありますが、中小ではIT予算(後ほど詳しく解説)をそれほど持たず結果、IT組織も未成熟といったケースがあります。
このメリット・デメリットは、
・メリットは、未成熟をチャンスが転がっているととらえることもできます
・デメリットは、裏返しでチャレンジだらけの可能性がある点です。
社内SEへの転職の際は、IT組織の位置づけ、期待する役割のヒアリングが大事です。どれくらいITを大事にとらえているか=仕事のしやすさにもつながります。
IT予算
ITへの意気込みだけでは飯は食えません。人も組織も育ちません。IT予算を面接で教えてくれる企業はないでしょう。このIT予算の大小の片りんは、求人の年収レンジで見分けることができます。その企業でIT人材をどこまで本気で取ろうとしているか?IT予算はふんだんにあるのかが垣間見えます。
上司
これは面接で是非感じ取ってほしいです。社内SEに限った話ではないですが、組織は上司のポテンシャル以上に大きくなりません。もし、いくらいいポジション、オファーを受けても上司が無能であればあなたの活躍は相当チャレンジングなものになります。
わたしの3回目の転職を役員にご報告に行ったときに、
”私は今の(役員の)上司に相当自分の能力を引き上げられた。彼の背中・考え方を見てると自分の目指すべき姿が見えるし、自分の仕事と彼の差がものすごく感じ日々勉強になる。転職の時は、人ってだいじだよ”と言ってくれました。そして次の上司の印象をお伝えすると、ニンマリして後押ししてくれました。
というやり取りで感じ取れるように上司の人柄と能力は大事です。
転職の仕方
社内SEへの転職の仕方も大事です。詳しくは以下の記事内で書いていますが、大手エージェントを使えばいい社内SEの求人が見つかるわけではなありません。社内SE転職に専門性の高い転職エージェント・求人の量と質のある所を選ぶべきです。
社内SEって勝ち組?って言われる6つの理由と実態を現社内SEが解説まとめ
人生に勝ち組・負け組なんてものは存在しません。そもそも勝ち組の定義が社会でよく使われる定義と異なっていますし。
社内SEが勝ち組と言われる理由は、システムエンジニアやSESさんから見た社内SEの以下
・年収が高い
・残業が少ない
・移動が少ない
・プレッシャーが少ない
・上流工程ができる
・暇そう
の仕事の特徴からです。
私自身、システムエンジニアから社内SEに転職し長年お仕事していますが仕事内容・年収・働き方共に非常に充実し楽しんでお仕事ができています。 システムエンジニア・SESの方で、現職に不満がある場合は、社内SEを転職の選択肢にするのもありではないでしょうか。
本記事ではあまり触れませんでしたが、DXの波を鑑みると希少性を考え社内SEというポジションニングは相当ありな選択肢と言えます。