システム開発講座

上流工程難しい。推進に必要な考え方・知識・スキルとは?SE必見

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上流工程難しい。推進に必要な考え方・知識・スキルとは?SE必見

システム開発の上流工程って難しい。。。

何をしたらいいか分からなく、つらい

業務要求出てこなくて進まない

と言った疑問に答えます。

本記事では、社内SEが上手く上流工程を進めるために必要な行動・考え方を解説していきます。

前半は、上流工程と下流工程の違いを様々な観点で解説していきます。

記事後半では、上流工程と下流工程の違いを踏まえ、何が難しいのか?どう対応すべきか?を解説します。

この記事を読むことで難しさの本質がわかりかなりスッキリでき、さらにどう上手く推進できるかクリアになります。

✔記事の信ぴょう性

SE歴10年以上。現大手EC運営企業の管理職 兼 社内SE講師として活躍中。15か国以上へのグローバル利用の大規模ERPシステム開発、パッケージソフト導入等幅広く開発を経験。

SE講師として体系化したコンテンツの一部をお届けする事で、社内SE・情シスの方にお役に立てればと願っています。要件定義は専門分野です。

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そもそも上流工程と下流工程の違いとは?

システム開発における上流工程と下流工程の様々な違いを解説していきます。

システム開発工程を分類すると、

・上流工程:企画、要求定義、要件定義、基本設計

・下流工程:実装、テスト、運用
と分類されます。

単にプロセスの違いだけではなく様々な違いがあります。1つずつ説明します。

上流工程と下流工程で違う点

主体の違い
上流:社内SE
下流:開発ベンダー

年収の違い
上流:高め
下流:低め

人気の違い
上流:人気
下流:なぜか人気薄い

難しさの違い
上流:紙をつくるフェーズ
下流:アプリを作るフェーズ

求められるスキルの違い
上流:コミニケーション
下流:実行スキル

主体の違い:上流:社内SE、下流:開発ベンダー

一般的に、事業会社の社内SEとしてお仕事をする場合、
・上流工程は、社内SEが主体
・下流工程は、開発ベンダーが主体
と言った形でプロジェクトを構築するケースがほとんどです。

note

外部開発ベンダー企業の中でも同じように、上流と下流で役割が分かれています。

例:
上流工程=コンサルティング部隊・システムエンジニア部隊
下流工程=開発部隊

と言った具合です。

はじめに、コンサルティング部隊が企画支援・要求整理を行い、システムエンジニアに引き継ぎます。

年収の違い:上流高め:下流低め

上流を請け負うSierのシステムエンジニア(SE)や、コンサルティング部隊と、システム開発を請け負うプログラマーでは年収にも開きがあります。

【上流】
コンサルタント 928.5万円

プロジェクトマネージャー 891.5万円

高度SE・ITエンジニア(基盤設計担当・ITアーキテクト) 778万円


【下流】
SE・プログラマ(顧客向けシステムの開発・実装)593.7万円

SE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装)568.5万円

SE・プログラマ(組込みソフトウェアの開発・実装)603.9万円

IT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))758.2万円

IT運用・管理(顧客向け情報システムの運用)608.6万円

IT保守(顧客向け情報システムの保守サポート)592.2万円

経済産業省

人気の違い:上流人気・下流なぜか人気薄い

(大人の話)
日本では、一般的に上流工程を請け負う仕事(コンサルタント・システムエンジニア)の方が、下流の開発よりも人気があります。

経済産業省の調査では、そもそも、ITで仕事する人はITで仕事したいと思っていなかったという調査結果すらあります。。。驚

雑談:日本と海外のITの人気の違い

アメリカではIT人材のステータス・年収が高く人気でした(アメリカ在住時の経験)。

さらに、インドでお仕事した際に現地の人に「なぜITは人気か?」を聞いてみたところ、ITは近年生まれた職業で、【カースト制度】のしがらみなく位の低い高いが関係なく仕事に就ける事+年収が高い事が理由だそうです。

参考:中学生に人気の職業:

子供達には大分知名度・人気が上がってきている様子です。

難しさの違い:紙をつくるフェーズ・アプリを作るフェーズ

上流工程と下流工程の難しさの違いを解説します。

上流工程では、業務ユーザーとのコミニケーションで無形のアイディアを紙にしていく難しさがあります

一方、下流工程はその文章にされた構想をベースにシステムを構築する難しさです。

どちらもモノづくりですがインプットとアウトプットに違いがあります。

求められるスキルの違い:上流:コミニケーション、下流:実行スキル

上記の上流工程・下流工程の難しさの違いに関連し、それぞれの工程を推進する為に求められるスキルも違います。

上流工程では、業務とのコミニケーションから求める物を理解し引き出す力・文章化する能力が必要になります。

下流工程では、要件を技術でどのように表現するのか?高い技術知識と表現力が求められます。

グルー
グルー

注意点

下流工程でも文章・コミニケーションの裏側にある本当に業務が実現したいことを理解する能力も求められます。

(この能力が低いPMがリードするプロジェクトでは思ってたのと違う。と言った状況が発生します。)

コミニケーション力の向上におすすめは、「説明・プレゼンテーションが上手く伝わらない本質は?【新常識】」の記事です。

なぜ上流工程は難しいのか?

ここまででかなり上流工程とはなんぞや?がクリアになりました。

一旦まとめます。

上流工程とは、

・システム開発における要件定義・基本設計あたりを指す

・コンサルタント・システムエンジニアが活躍する

・年収は高め

・無形のアイディアを紙という形にする事が難しさ


上流工程は、システム開発全体の出だしの大事な工程です。

システム開発という、無形のアイディアを形にしていく重要なプロセスを担い、だからこそ難しいという工程です。

この上流工程を上手くできたらかなり希少な存在になるということです。

年収を見てみても、サラリーマンの平均が450万くらいのところ、コンサルタントに至っては約2倍の年収ですからね。

まずは、肩の力を抜いてリラックスして以下を読み進め、「どうすれば上流工程を上手く推進できるのか」学びましょう

社内SEが上流工程を上手く推進する為に必要な考え方・スキルアップ方法

難しいとは言え、上手く上流工程を推進するにはコツがあります。

以下の観点で解説します。

・主体性を持ち待ちの姿勢を変える →これが出来れば8割解決

・やるべき事を理解する

・手を動かす

・経験を積む

主体性を持ち【待ちの姿勢】を変える

根性論!?と思ったかもしれません。

実は違うんです。

要件定義の最初のフェーズは業務要求を受けるところから始まります

このインプットがなければ、車にガソリンがないのと一緒で十分な距離を走ることが出来ません

経験上、上流工程が上手く進まない原因の一番は、社内SE/システムエンジニアの方がまだ自分の仕事ではないと思い要求が出てくるのを待つことに起因します。

これにより、要件定義の開始が遅れ、要件定義の期間が圧縮され内容の薄いものになり、結局要件漏れ・考慮漏れが発生する構図です。

以下の図でいう、一番左上のところで自ら業務に情報を聞きに行く姿勢が最も重要です。

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出所:note

やるべき事を理解する

上流工程の肝がはじめの要求から要件のつなぎ(スタート)です。

そのつなぎを円滑に行う為のやるべき事の理解が重要です。

もしあなたがSierのSEであればある程度契約で決められた範囲を行うことになりますが、社内SEの場合違います。

社内SEに重要な事は、出ない・来ない・進まない要件をいかに支援するか?です。

支援しなければ、要件不足によるしわ寄せはあなたにやってきます。

プロジェクトを上手く進めるために穴型やるべき事は以下です。

時間軸を切る

フォローする

上手くいっていないことはエスカレーション

経験を体系化し蓄積する

プロジェクトに必要な人材を巻き込む

プロジェクトの交通整理。役割を明確にする

成果物を明確化する・文章化を忘れない


上記は、プロジェクト推進に必要な社内SEの基本姿勢・能力です。更に詳しくは、【要件定義FIXできない。要件定義を終らせるコツ・仕掛け【社内SE】】で解説しています。

上記のコツを頭に入れ主体的上流工程を行うことで動かない業務を動かすことが出来ます。

必要な姿勢は、

手を動かす

やるべき事の理解ができたら、具体的には会議体を調整しアウトプットするのに必要なヒアリングをします。

もし、要件定義フェーズで何をアウトプットするのが必要かわからない場合は、「システム要件定義の進め方・必要成果物とは?」の記事を参照ください。

グルー
グルー

手が止まらない為の工夫

成果物を定義する

アウトプットのエンドを握る

このシンプルなプロセスを、如何に早くできるか?が長年と経験が必要。

簡単そうに聞こえものすごく難しい。

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システム要件定義で使える成果物サンプル・テンプレートまとめ
システム要件定義で使える成果物のサンプル・テンプレートをまとめました。本記事ではシステム要件定義の成果物に特化したサンプルを用意しています。要件定義書...

経験を積む

経験がない場合、書籍での疑似体験を積みましょう。

長年のエンジニアたちのノウハウ・エッセンスを文章で体験しましょう。*私もSE素人時代は狂ったように読みあさりました。

社内SE/システムエンジニアの独学におすすめの書籍は、「【厳選】SEにおすすめ本20冊と勉強方法|社内SE/情シス必見」の記事を参照ください。

特に上流工程に特化したお薦めの書籍は、「はじめての上流工程をやりぬくための本」がお勧めです。

上流工程難しい。推進する為に必要な考え方・知識・スキルとは?まとめ

上流工程と下流工程で違う点

主体の違い
上流:社内SE
下流:開発ベンダー

年収の違い
上流:高め
下流:低め

人気の違い
上流:人気
下流:なぜか人気薄い

難しさの違い
上流:紙をつくるフェーズ
下流:アプリを作るフェーズ

求められるスキルの違い
上流:コミニケーション
下流:実行スキル

難しさのポイントは、
無形のアイディアを有形にする点
もたつく業務をやさしく支援する点

上手く上流工程を推進するにはコツ

・主体性を持ち待ちの姿勢を変える →これが出来れば8割解決

・やるべき事を理解する

・手を動かす

・経験を積む