新卒で社内SEってやめておいた方がいいの?
社内SEの特徴を知りたい
といった疑問に答えます。
結論、新卒の方にも社内SEはおすすめです。但し、社内SEってどんな役割なのか?どんな仕事なのか?どんな人が向いているのか?といった特徴を理解しないで就職すると、思っていたのと違うという理由で後悔してしまいます。
本記事でIT歴15年の経験から分かりやすく社内SEの特徴を解説していきます。特徴を理解し自分に社内SEはあってそうか?好きそうな仕事か?判断ください。
解説する内容:
「新卒で社内SEやめておけ!」という声の間違い
社内SEの仕事の特徴から合う合わないを自己診断
✓記事の信ぴょう性
IT歴(Sier&社内SE)計15年以上。Sier・社内SE両方を経験。過去グローバルなERP導入プロジェクト等を実施。Sier+社内SE両方の目線から学んだリアルな情報を提供を可能。
「新卒で社内SEやめておけ!」という声の間違い
以下の様な声は適切に社内SEの仕事の特徴をとらえていません。
①開発手法はウォーターフォールのみ
引用元:https://takeblog2020.com/se-work/
②審査に追われて無駄な資料を大量に
③開発言語はレガシー系のみ
④企画から開発完了まで最低2年
⑤営業・ビジネス・経営感覚はつかない
⑥管理職予備軍が長蛇の列をなしている
⑦副業が禁止されていることが多い
こういった噂は耳にされているかもしれません。しかし、以下の様な理由で社内SEの特徴を適切帆湧現しきれていません。
①開発手法はウォーターフォールのみ
→前職でも、現職でも普通にアジャイルも実施しています。
②審査に追われて無駄な資料を大量に
→審査の多い多くないは、企業文化次第です。スタートアップ・成長優先の企業ほど内部統制はライトにしています。一方、ガバナンスに厳しい企業では、様々なプロセスも多くその通過に必要な資料もおおいです。
③開発言語はレガシー系のみ
→偏見。私の経験でも様々な新しい言語でも開発しています。
④企画から開発完了まで最低2年
→いつの時代の話だろう。。。アジャイルでグルグルまわしています。
⑤営業・ビジネス・経営感覚はつかない
→社内SEの方がビジネス感覚が身につきやすい環境と思います。事業会社の目的が、企業価値の提供なので会話の節々にビジネスの話が現れます。
⑥管理職予備軍が長蛇の列をなしている
→社内SEに限った話ではなく、成長の無い企業・従来の年功序列の階級体系の企業は年齢順に管理職予備軍と勘違いされています。大手を中心にジョブ型に変化しています。
⑦副業が禁止されていることが多い
→今はどこでもほぼOKな時代です。
といった具合に、いずれも社内SEの特徴を表しているわけではなく、そういう会社もあるという企業の種類を表しています。
社内SEに興味があるけど、どうやってこういう企業をさけ就職活動をするか?はITに専門性のあるエージェントを利用して就職活動をしてください。ITに専門性のあるエージェントであれば、その企業のシステム開発の特徴・ITの位置づけ・ある程度の内部事情も精通しています。
IT業界+新卒の方におすすめの就職エージェントは以下です(どれも無料で登録相談できるので情報収集に役立ててください)。
IT+学生の就職活動におすすめ
レバテックルーキーに無料相談してみる
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第二新卒におすすめのIT業界への転職方法は以下の記事で解説しています。
IT・SE未経験者の転職|おすすめプログラミングスクールTOP5|全31
社内SEの仕事の特徴から合う合わないを自己診断
社内SEってどんな仕事でどういう特徴があるのか?具体的に見ていきます。
ちなみに、社内SEへの向き不向きを検討する際には以下の2つの要素で確認が必要です。
①社内SEという職種の特徴や事業会社別の社内SEに求められる役割の違い
→そもそも社内SEという職種に向いているか向いていないか判断可能
②社内SEという働き方の理解
→社内SEという役割ではなく、仕事の仕方があっているか判断可能
本記事では①を中心に解説しています。②に関しては【社内SEに向いてる人・向いていない人の特徴とは?】の記事で解説しています。合わせてご覧ください。
①の話に戻ります。解説する社内SEという職種・事業会社別の特徴は以下です。
社内SEの役割とは?
企業の規模・ITの位置づけによって変化する社内SEの役割
社内開発の方針の違い :内製・外注・パッケージ
作る側か使う側か?
社内SEの仕事内容とは?
社内教育が充実しているのは大手の傾向
社内SEの役割とは?
社内SE・情シスに一般的に求められている役割は以下です。
①システム企画 | 業務向上の為のシステム企画 |
②システム開発 | 社内・社外リソースを活用したシステム開発 |
③システム運用 | 自社利用システムの運用・管理 |
④社内インフラ | 社内利用のIT関連機器・ネットワークの管理・運用・改善 |
⑤ヘルプデスク | 社内ユーザーからのIT関連全般の問い合わせサポート対応 |
上記5つが社内SEの仕事の分類です。
従来の社内SE/情シスの役割で比重が強かったのが③~⑤です。
・パソコンの修理
・ネットワーク構築
・社内アカウント管理
・サーバー管理
こういった印象でした。いわゆるインフラ系情シスです。
もちろんこういった情シスの役割もまだありますが、社内SE情シスの役割は①②のビジネスを推進する領域に広がりを見せています。例は、AMAZONやUBERです。IT技術がビジネスの競争力の源泉となっています。そういったシステム開発をする社内SEの役割はもはや従来の社内SE/情シスとして、業務ユーザーから要望を受け開発するだけににとどまりません。非常にやりがいがあります。
就職活動する際は、同じ社内SEでも企業によってITに求める役割が違うことを認識しておきましょう。
A 従来の社内SEとしての役割を求める企業=社内SEはインフラ・コストセンター
B ITがビジネス推進の鍵と捉える企業=社内SEは企業の重要な位置づけ
補足:特にDX (デジタルトランスフォーメーション) が進む今日では、ITがビジネスをけん引する形でデジタル化を推進しています。そのような人材には1000万円以上を超える年収の求人もあります。
関連記事
DX入門|今さら聞けないDXとは何か?わかりやすく解説(まとめ)
企業の規模・ITの位置づけによって変化する社内SEの役割
AとBの見分け方ですが、
Aの企業に多いのが、そもそも社内SEは一人、IT部署は総務課の配下、求人の年収も低め、中小企業に多い傾向
Bの企業の特徴、IT組織がある、CIOがいる、求人の年収が高め、大企業に多い傾向
です。
又、Aの企業にあるのが【一人社内SE】です。一人社内SEとは、その名の通り、事業会社に単独で存在する社内SEでなんでも屋です(①~⑤を一人で)。社内にSEが一人しかいなければその人は、システムの維持から、機器の取り付けから、新しいシステム開発の企画までなんでもやります。この働き方が好きな人にはたまらない環境です。一から全て学べます。一方、好きな領域が明確な人、上司の指導の下しっかりと基礎を学びつつやりたい人には酷な環境です。
Bの企業の特徴として、ITの重要度が高い為投資も多く、そのためIT人材も充実しています。役割ごとにチーム・部署が配置され分業し仕事が推進されます。
就職先を探す場合は、その企業の社内SE/ITの位置づけの把握が必要です。こういった違いもITに専門性の高いエージェントは知ってるので聞いてみましょう。
社内開発の方針の違い :内製・外注・パッケージ
社内SEを選ぶ際に、システム開発の考え方も考慮が必要です(これは、Sierでも同じで考慮が必要です)。大きく内製開発・外注開発・パッケージ導入の3つです。
内製開発
その名の通りシステムを内部に人員をかかえガリガリコーディングし作っていきます。こういった企業では内部のプログラマー・エンジニア職を探す事ができます。
外注開発
内製の開発部隊は持っておらず外部のSierさんやSESさんを活用しシステム構築をしています。この場合、社内SEの求人で開発者は求められていません。*開発経験者で上流工程をしたい人は別
パッケージ導入
なるべく業務をパッケージを導入し改善しようというタイプの企業です。DX(デジタルトランスフォーメーション)の進む近年では、既存のパッケージを導入し業務レベルを上げようと考える企業が増えています。又、パッケージの性能も上がり、機能が充実しある程度開発なしにカスタマイズできたりし、浸透が進んでいます。
この3つの違を押さえていないと、入社したども全然開発できない!といったギャップが生まれます。
就職活動を進める際も、開発=コーディングをしたいのか?それともシステム設計・デザイン=いわゆる上流工程をしたいのか?で企業を選ぶ必要があります。
ここでの簡単な覚え方は、【プログラミングしたい=Sier SE、SES,もしくは内製開発をしている社内SE】です。
私の1回目の就職では、ここら辺の違いが全く分からないITに特化していないエージェントを使い苦い思いをしました。。。ITの専門性がないエージェントだとこういった違いわからないですよね。
作る側か使う側か?
社内SEとSier SE・SESこの違いを分かりやすく解説すると
・社内SEのシステム開発の目的は、ITでビジネスに貢献・ビジネスを推進すること
・Sier SE・SESは顧客の求めるソリューションを提供すること
です。
一見、同じ「システムモノづくりに聞こえますが、似て非なる活動」です。
例えば、【業務・システムを改善しお客様からの問い合わせを改善したい】要望の場合、
社内SE
業務の非効率を特定しシステム開発・パッケージ導入・部分的にマニュアル運用との組み合わせ等をデザインしシステム化を推進。場合によっては一番機能を有するソリューションではなく、効果見合いで自社に必要なシステムを選定。
一方、Sierシステムエンジニア
(自社で導入を進めているパッケージがある場合)そのソリューションをどのように導入できるか?を提案します。開発におもきをおくSierの場合は、どうソフトウェア開発ができるかを提案します。
このように、社内SEはITを駆使してビジネス貢献を狙い、Sierは特定のIT技術で価値提供を狙います。
Sierとして働く場合、自社のソリューション・提供価値に共感できない場合相当つらいです。システムエンジニアから社内SEに転職した人の例でいくと、彼女は「お客様に本当にいいものを提供したいのに、それができなくつらい」という理由で社内SEに転職してきました。社内SEとして自社に本当にベストを選定し企画から運用まで一貫してできるのが楽しいと言っていました。
社内SEの仕事内容とは?
ここまでで、一般的な社内SEに求められる役割の特徴に関して解説しました。
さらに、詳しく
・社内SEの年収
・やりがい
・日常の流れ
・仕事内容
・勉強方法
等々は以下の記事でまとめています。
社内SEへの 社内教育が充実しているのは大手の傾向
(社内SEに限った話ではないですが)大手と中小企業を比較すると社内研修・教育制度に違いがあります。やはり資金力のある大手の方が社内講習・教育は充実しています。一方、中小の場合は様々な領域を任せられるので現場経験を積むことができます。但し、だからといって、大手でないと学べない・成長できないとうわけではありません。これは完全に本人次第です。
あわせておすすめ記事
社内SEの気になるキャリアパスに関して
社内SEに就職した後にどのようなキャリアパスを構築可能かその一例を以下の記事で解説しています。大きく分け、ジェネラリストとスペシャリストのパスがあります。
新卒で社内SEってやめとけ?特徴を理解して合う合わないの判断を!まとめ
新卒だから社内SE向いていないとか、システムエンジニアの方がいいとかは偏見です。そもそもでおさえておくべきことは、システムエンジニアと社内SEでは役割が違い、仕事内容も違います。さらに、社内SEといってもITに重きを置いている企業の社内SEとそうでない企業の社内SEでも働き方は違います。
一覧にまとめると
A 従来の社内SEとしての役割を求める企業=社内SEはインフラ・コストセンター
B ITがビジネス推進の鍵と捉える企業=社内SEは企業の重要な位置づけ
Aの企業に多いのが、そもそも社内SEは一人、IT部署は総務課の配下、求人の年収も低め、中小企業に多い傾向
Bの企業の特徴、IT組織がある、CIOがいる、求人の年収が高め、大企業に多い傾向
社内開発にも :内製・外注・パッケージの3つのタイプがある
社内SEのシステム開発の目的は、ITでビジネスに貢献・ビジネスを推進すること
Sier SE・SESは顧客の求めるソリューションを提供すること