社内SEって何?

新卒で社内SE・情シスはやめとけ!? 結論、そんなことありません。

社内SEって何?

現在就職活動中
新卒で社内SE/情シスはやめておいた方がいいのか知りたい
なぜ、新卒で社内SE/情シスやめとけといった声があるの?

と言った疑問に答えます。結論、新卒の方にも社内SE/情シスはおすすめです。

「なぜ社内SE/情シスやめておけ」といった声があるのか?

理由は、企業規模、IT戦略、企業の成長スピード、ITの組織力等様々な要素で社内SE/情シスに求めている役割が違います

この違いを理解せずに就職してしまうと、想定とのギャップから仕事に不満=社内SE/情シスやめておけ!という意見になります。

本記事で、
・社内SE・情シスの様々な違いが分かるようになります
・なぜ社内SE/情シスやめておけ!と言われるのかのケースを使い解説します
・又、新卒におすすめの失敗しない就職・転職活動の進め方

も解説していきます。

✔記事の信ぴょう性

kato
kato

SE+社内SE歴15年以上。現大手医療メーカーのIT管理職 兼 社内SE講師としても2018年よりSE講師として100名弱の部下・生徒の教育を実施。グローバル(15か国以上導入)へ大規模ERPシステム開発・導入を実施。

新卒の方が理解しておきたい社内SE/情シスのイロハ

・社内SE/情シスの働き方は就業する企業に依存する
⇒ITのみならず新卒の方は就職先の企業規模、働き方のチェックが必要。
⇒大企業と中小企業では社内教育vs現場教育で異なる。どっちが合ってるか選ぶ。ITも同じ。

・社内SE/情シスの役割は企業のITの定義・ITの重要度に依存
⇒ITの重要度、IT戦略を加味した企業選定が必要
⇒新卒の方は社内SE・情シス/Sier SE/プログラマーの違いに注意

・学べない、成長できない、待遇の不満はいくらでも自分で改善できる・すべき
⇒社内SE/情シスの仕事に限った話ではなく、どの仕事でも共有の悩み
⇒学び・成長は自分でするもの。そもそも企業に頼りすぎNG
⇒儲かってない企業は待遇も悪いが、実力をつめばITはいくらでも転職で改善できる

新卒で情シス・社内SEを目指す人におすすめエージェント

レバテックルーキー
→新卒ITエンジニア専門の就活エージェント

社内SE転職ナビ
→業界唯一の社内SE専門エージェント(社内SE経験者におすすめ)

マイナビIT
→社内SE+Sier SEも視野にいれ転職活動したい人におすすめ


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社内SE/情シスやめておけ!9つのケースと言われている理由

新卒の方が理解したい「新卒で社内SE/情シスやめとけ!」といったニュアンスの9つのケースを、「なぜそういう風に言われているのか?」「どう対策をうてるのか?」解説していきます。

・新卒で社内SE/情シスになると成長できない
・社内SE/情シスではIT技術が伸びない
・将来的に昇給・昇格出来ない
・将来性がない
・システム開発に時間がかかる
・開発手法が古い
・無駄な資料作成が多い
・社内調整が大変
・転職しずらい

新卒で社内SE/情シスになると成長できない

仕事は環境を提供してくれるものであり、学びは自分で行い成長につなげる必要があります。成長できないのを仕事のせいにしている先輩やネットの声は無視して大丈夫です。

学ぶ気さえあればどこでも勉強・成長は可能です。私の部下でも新卒で社内SEとしてキャリアを開始しその後大手コンサルに転職した人もいます。

ポイント:中小企業の社内SE・情シスでは社内カリキュラムが充実していない可能性

社内SE/情シスに限った話ではないですが、大手程中小企業では教育プログラムが充実していません。これは事実です。一方、中小企業のメリットは、直ぐに現場で実践を詰める事です。大手では最初の1年は実践と言うよりは研修で埋まってしまいます。どちらも一長一短があります。

ポイント:社内SE/情シスとSier SE, プログラマーでは伸びるスキルが違う

社内SEと同様にシステム開発に関連する職業に、Sier SE・プログラマーがあげられます。どの職業を選択するか?によって伸ばすしやすいスキルが違います。以下で一覧にまとめました。社内SEでも、一人SE(中小企業で一人で何でも屋)とシステム開発を中心にする社内SEでは仕事内容が違うため分けています。

分類社内SE(一人SE)社内SESier SESESプログラマー
仕事内容PCの設定やトラブルQA企画・開発・運用企画・開発・運用開発・運用支援コーディング
納期のストレス
平均年収510万510万550万300万400万
仕事先の移動ほぼなしほぼなしプロジェクト事プロジェクト事ほぼなし
求められる役割ITインフラの安定稼働IT技術によるビジネス貢献ITソリューションの導入IT業務支援ITものづくり

*上記で分類しているシステム開発工程の違いが分からない場合はこちらの記事を参照ください。

社内SE/情シスではIT技術が伸びない

社内SE/情シスでは、実務で伸ばせるIT技術が企業の職種に依存します。

例えば、

製造業の社内SEの場合、ERP系、生産管理、在庫管理、EDI連携、ロジといった領域に関連するIT技術は業務でも活用しますし伸ばすことができます。一方、WEB系にかかわるチャンスはおそらくないでしょう。

反対に、ECサイトを運営する会社の社内SEの場合全く逆の状況になります。

また、気を付けることが1つあります。業種・業態だけではなくITにどれだけ投資をしようとしているか?=企業が考えるITの重要度により携われるIT技術の種類に差が生まれます。IT人材を積極的に採用している企業は、IT投資も積極行っている証拠なのであまり気にしなくて大丈夫です。

一方中小企業の社内SE・情シスの場合、そもそもITという部署がなく総務の下にITの人がいたり、社内SE/情シスという名の何でも屋の場合もあるので注意が必要です。もっと詳しくは、こちらの記事で解説しています。

将来的に昇給・昇格出来ない

社内SE/情シスの昇給・昇格も所属する企業に依存します。私の場合、企業が幸運にもどんどん成長を続けその為、ポジションは沢山生まれ更に、給与も毎年上がっていくという状況でした。

社内SE./情シスの昇給・昇格はその働く企業依存となりますが、あまり気にしなくて大丈夫です。理由は、IT業界の求人は底堅く推移しています=実力さえつめれば将来的に転職を全然狙えキャリア・年収アップが出来るからです。

社内SE/情シスは将来性がない

間違っています。

日本ではITだけ求人が堅調です。ITの未来は明るいです。

おそらく、「社内SE/情シスの将来性がない!」と言う声は、非常に小さい会社の社内SEをしている方で、そもそも企業が成長しておらずなので、昇給もなく、ポジションも埋まっている状態で苦しんでいる方の声と思います。社内SE・情シスの方におすすめの転職エージェントはこちらの記事で紹介しています。

ITの求人が底堅い以外の社内SE/情シスのプラス材料

ITユーザー勤務比率グラフ

日本とアメリカの社内SE比率を見ると、
・日本:ほとんどのIT人材はSier(IT Vender)に所属
・アメリカ:ほとんどのIT人材は企業(IT user)に所属

しています。

極端なこの構図には根深い日本の雇用の問題もあります。将来的には、事業会社もITをより早く活用するために社内SE/情シスを採用していく流れになるのは明白です。その際に、先駆けて社内SEとして上手くベンダーコントロールする等を磨き上げキャリア構築するのもありです。

システム開発に時間がかかる

社内SE/情シスだとシステム開発がウォータフォールだけだ!とか、開発スピードが遅い!と言った声も耳にしますが企業によります。

重要なポイントは、就業する企業がどれだけITを重要ととらえ戦略的にIT施策をうっているか?です。私の働いた企業では、アジャイル開発もやっていますし、コアIT部分は内製等も実施していました。

新卒で社内SE/情シスを考えている方にはハードルが高いかもしれませんが、就職を検討している企業がどれくらいITを重要視しているか確認する必要があります。*見分け方は後述します。

開発手法が古い

これも上記と同様で企業によります。儲かっていない企業・成長していない企業ほど開発手法が古いです

理由は、
・儲かっていない

・成長していない

・IT投資を拡大できていない

・古い情シスの人のまま
イコール
昔のやり方を変えたくない
と言う構図です。

ビジネスにおいて、儲かっていないのは色々な

無駄な資料作成が多い

新卒の方で無駄な資料作成が多い!は心配しなくてOKです。むしろ、チャンスです。

大学卒業後様々な覚えることがあります。その一つにアウトプット・ドキュメント作成も上げられます。ドキュメント作成が多い=アウトプットするチャンスが多いと前向きにとらえるべきです。もし、将来的にSierへの転職を検討している場合、さらに資料作成は多くなるのでしっかりやっておいた方がいいです。アウトプット力を高めるのにお薦めの書籍はこちらで紹介しています。

資料作成あんまり嫌だな!と言う方は、プログラマーや中小企業の社内SEがおすすめです。そうすると現場よりのITを使う作業が出来ます。プログラマーへの就職はマイナビITの活用がおすすめです。

社内調整が大変

新卒で社内SE/情シスやめとけ!という理由に、社内調整を上げる場合、そもそも上流工程が向いてないのかもしれません。社内SE/情シスの仕事は、無形の事業施策を紙に落とし込み、それをベンダーさんにつなげ有形のソフトウェアを創る(作る)作業です。したがって、事業ともベンダーさんともコミニケーションが発生します。もし、コミニケーションが嫌だな、と言う場合にはプログラマーさんむけかもしれません。

新卒で社内SE・情シスになると転職しずらい

「社内SEになるなら骨をうずめる覚悟が必要」とか訳の分からない説を耳にします。そんなことはありません。

今の時代、ITは作るよりも使うことに価値があります

IT人材はどのビジネスでも引っ張りだこです。しっかりと、システム開発、システム運用、システム活用するノウハウ・知見を積めばキャリアアップができます(私もできました)。

新卒の方でその次の転職を視野に入れることは非常にいいことです。この場合、気にすべきは5年後あたりにどうなっていたいかで最初の就職を決めると次のキャリア構築につなげやすいです。

転職しずらいと考える人のほとんどは、転職したい職種のスキルが身についていなくて転職出来ないケースです。つまり、初めの就職を失敗しているケースと言いかけることができます。

未来は誰もにも分かりませんが、何も考えずに仕事に就くのと未来像・なりたい自分・経験したいこと・やってみたい事を考えて就職するのではその後の転職も変わってきます。ゴール像があるからこそ、不足している知識・経験が明確になります。5年後の転職の為に、必要な経験が職場で求められないなら外のスクールの活用もありですし、様々な勉強会も多数存在します。

新卒の人がどうやってITに注力している事業会社を見つける事が出来るのか?

新卒の人がどうやってITに注力している事業会社を見つける事が出来るのか?

以下のポイントを就職活動時にチェックすれば大丈夫です。

・ITの組織がそもそもあるのか?
・CIOはいるのか?
・面接で3~5年のIT戦略を聞いてみる
・IT投資額が売上げ費どれくらいか?もしくは、ITが増えているのか
・ITに特化したエージェントをちゃんと活用する

ITの組織がそもそもあるのか?

上記でも解説しましたが、「ITと言う名の何でも屋」の場合、大抵総務部の下にIT部門があります。つまり、ガチガチの雑用です。コストセンターの香りがめちゃくちゃします。

ITはもちろん業務システムが主ですのでコストセンターではあります。。。とはいえ、私の見てきた企業様ではこれで大体ITの扱いを感じることができます。

CIOはいるのか?

これも重要なポイントです。CIOでなくてもいいですが、IT部門が存在しそこにIT経験者のトップがいるか?いないか?で大きな違いがあります。

ITの知見がない人では、優秀なマネージメントはできるかもしれないでが、ITソリューションとして、又はプラットフォームとしてどう情報システムが進むべきかはなかなか描くことができません。つまり、IT戦略がままなりません。

戦略がなければ、沢山従業員がいたとしてもみんなバラバラに好き勝手仕事している可能性が高く、新卒のあなたが入社した場合、相当ちぐはぐ感を感じる可能性があります。

面接で3~5年のIT戦略を聞いてみる

組織の話は、企業のサイトに公開されていなかったりすると調べる事が難しいですが戦略は結構公開されていたりします。さらに、面接で質問することもできます。

注意点は、新卒で真向正面で「御社のIT戦略はなんですか?」とかはくれぐれも聞かない方がいいです。「この人なにいきなり聞いてきてんだ?」となります。

その場合は、「直近3年くらいで戦略的に御社で集中的に取り組んでいる事・方針(特にIT関連)等ございましたら教えてください。」のような聞き方をすればスマートです。

この問いに、会話している相手の個人的な意見・課題感だけを話して来たら、そこにはIT部署としての戦略がない事をかぎ分けることができます。

IT投資額が売上げ費どれくらいか?もしくは、ITが増えているのか

以下は、売り上げに占めるIT投資額の割合です。中央値は1.2%くらいです。

平均値[%]中央値[%]
全体1.210.60
建築土木0.490.38
素材製造0.750.53
機械製造0.670.56
商社流通0.730.50
金融7.826.43
社会インフラ1.180.80
サービス1.250.60
https://blog.office-root.com/

就職先の企業のウェブサイト等で公表されている場合は確認することができます。しかし、多くの企業は(特に中小)はそいう言ったデータを公表していない可能性もあります。

その場合は、転職エージェントや面接のときにITの部署がっ拡大しているか?を確認しましょう。拡大している場合、意識的にIT投資(人を含む)を行っている可能性が高いです。逆に全く数年で変化していない場合は、相当黄色信号です。

ITに特化したエージェントを活用する

新卒で社内SE/情シスを目指す際には、ここまででご紹介ししたような様々な考慮すべき観点があります。これらの情報をふまえあなたにあう企業を見つける必要があります。個人として意識して注意する!は効果的ですが、さらに、ITの専門性の高いエージェントを活用することで更に効果的に就職・転職活動を進めることができます。

理由は、
・ITに精通したエージェントなので企業の社内SEの定義が理解できる
・結果、あなたの求める求人を探してこれる
・ネットに乗っていない社内SEの口コミ情報を持っている
・コネクションをつかい面接確率を上げることができる
などなどメリットがあります。

新卒の方でITの就職活動におすすめのITエージェントは以下です。

レバテックルーキー
→新卒ITエンジニア専門の就活エージェント

社内SE転職ナビ
→業界唯一の社内SE専門エージェント(社内SE経験者におすすめ)

マイナビIT
→社内SE以外のシステムエンジニアも視野にいれて転職活動したい人におすすめ

社内SE/情シスへの転職を検討中の方には、「社内SE・情シスにおすすめ転職エージェント16選|使った感想あり」の記事もおすすめです。

新卒で社内SE・情シスはやめとけ!? 結論、そんなことありません。まとめ

本記事でご紹介した社内SE/情シスやめとけ!というパターンは以下です。

・社内SE/情シスは成長できない
・社内SE/情シスではIT技術が伸びない
・将来的に昇給・昇格出来ない
・将来性がない
・システム開発に時間がかかる
・開発手法が古い
・無駄な資料作成が多い
・社内調整が大変
・転職しずらい

どのケースも、どういう人がなぜ言っているのか?を理解することで本当に注意すべき点が明確になります。中小企業の社内SE/情シスと大手の社内SE/情シスで働き方が違ったり、社内SE/情シスというよりはどの仕事にも共通して言える注意事項だったりです。

本記事のまとめとして新卒の方が理解しておきたい社内SE/情シスのイロハ

・社内SE/情シスの働き方は就業する企業に依存する
⇒ITのみならず新卒の方は就職先の企業規模、働き方のチェックが必要。
⇒大企業と中小企業では社内教育vs現場教育で異なる。どっちが合ってるか選ぶ。ITも同じ。

・社内SE/情シスの役割は企業のITの定義・ITの重要度に依存
⇒ITの重要度、IT戦略を加味した企業選定が必要
⇒新卒の方は社内SE・情シス/Sier SE/プログラマーの違いに注意

・学べない、成長できない、待遇の不満はいくらでも自分で改善できる・すべき
⇒社内SE/情シスの仕事に限った話ではなく、どの仕事でも共有の悩み
⇒学び・成長は自分でするもの。そもそも企業に頼りすぎNG
⇒儲かってない企業は待遇も悪いが、実力をつめばITはいくらでも転職で改善できる

社内SE/情シスと一括りにされがちですがIT雑用と本当にITでビジネスを切り開こうとしている企業では評価・待遇・キャリアパスも変わってきます。そこらへんに注意して新卒の方は就職先を見極めていくのがよろしいのではないでしょうか。

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