中国がAI技術でアメリカを超える可能性は?
と言った疑問に答えます。
下の図は各国の主要GDPです。中国は猛烈な勢いでアメリカのGDPを追い上げています。
中国がアメリカを追い上げているとはいえ、現状まだアメリカが世界NO1です。
1980年代は製造業を中心にGDPをのばしました、近年ではGoogle, Amazon, Facebook, Appleに代表されるようにITが産業をけん引しています。
実際にGDPの産業別内訳を見てみると、IT関連が最増加しています。
ITはビジネスの様々な分野に浸透しています。今後もITのビジネスにおけるプレゼンスは増加すると予想できます。
つまり、今後のアメリカと中国の成長を占ううえでIT業界動向がカギになります。
中国とアメリカのIT分析が重要な理由は株式市場からも確認可能
以下の図は平成元年と平静30年の時価総額推移です。
8月20日のダイヤモンドオンラインより。
— Haruka Sakamoto (@harukask1231) August 22, 2018
平成元年での世界時価総額ランキング。
上位50社のうち日本企業は32社、平成30年ではそれが1社と。
この当時の日本の勢い、全く記憶にないですがすごかったんだろうなと想像。 pic.twitter.com/M9nlxMdPYf
中国・アメリカの今後の成長に影響のある技術とは?
✅2019年注目のトレンド
2019年のトレンドIT技術をベースに分析を実施します。以下主要IT技術です。
AI(人工知能) ←今回解説。
シェアリングエコノミー ←別の機械に紹介します。
IoT・スマートハウス ← 別の機械に紹介します。
Fintech(フィンテック) ← 別の機械に紹介します。
本記事では、まずは、AIに着目し中国とアメリカの産業における未来のインパクトを検討してみます。
✅そもそもAI(人工知能)詳しくない方は、『AI(人工知能)の基礎|AIとの向き合い方【初心者向け】』を、まずはご覧ください。
中国のAI計画『 次世代人工知能発展計画 』で世界トップを狙う
中国の強みの源泉は、政権による強力なリーダーシップです。中国は、 「次世代人工知能発展計画」 を掲げ2030年を目途に世界のAI(人工知能)で世界NO1を狙っています。
以下は、事業構造のサイトより抜粋の中国のAI(人工知能)施策計画です。
政府主導で、
・医療はテンセント
・スマー トシティはアリババ
・自動運転はバイドゥ
・音声認識はアイフライテッ ク
をリード企業に選定し協力に推進しています。
中国のAI市場は巨大且つ成長著しい|アメリカの脅威になる3つの証拠
中国は、AIがビジネスで有効であると判断し国を挙げてかなり大胆な施策で集中投資を実施しています。
以下の観点で掘り下げていきます。
・中国のアメリカをしのぐAI関連特許申請増加数
・中国の強み|国家主導で推進するデジタルトランスフォーメーション
・アメリカを既に凌駕する中国のAIに関する論文数、現状世界2位
中国のアメリカをしのぐAI関連特許申請増加数
世界知的所有権機関(WIPO)が発表した2018年の国際特許登録の出願件数は、
1位 アメリカ 5万6142件
2位 中国 5万3,345件
3位 日本 4万9702件
以下のグラフで見ても、2015年以降中国のAIの特許申請件数がうなぎ上りに上昇している様子がうかがえます。このままのペースでいけば米国を抜き世界1位の出願件数になるのは時間の問題です。
上記グラフの中国の特許数推移でで、あれ?と思う違和感に気づきましたでしょうか?
なぜ、中国は2015年から急激な特許出願件数の伸びを見せているのか?
中国の強み|国家主導で推進するデジタルトランスフォーメーション
中国の習近平指導部が、ハイテク産業に巨額の補助金を投じる「中国製造2025」計画を掲げています。
その内容は、2025年までに世界の製造業の仲間入りを目指し中国の掲げる主要テーマに多額の投資を実施しています。
AIもその一つです。
以下グラフ、右下の研究開発総額をご覧ください。2015年時点で中国の研究開発費は日本の2倍以上で、その差は開く一方です。
おはようございます。
— syn (@syn97327321) October 15, 2019
『中国製造2025』
強力な国家戦略ですね。
未だに中国の技術力を認めてない日本人が多いのが恐い。
杜撰な物が多いのも確かですが。
しかし特許の申請する前にさぁ。ね?
まさにジャイアンの様な国。 https://t.co/XJKDPBAecL
国家主導でのDX推進力は他国がなかなか真似できない強みです。
アメリカを既に凌駕する中国のAIに関する論文数、現状世界2位
論文に至っては、2006年の時点でアメリカを抜き、2015年以降ではヨーロッパに迫る勢いで成長を続けています。
(以下グラフ参照)研究開発に国を挙げ加速する中国の姿がうかがえます。
中国は現状、世界の製造の台所です。しかし、実態は、安い人件費で人海戦術を行っています。
将来的に、この現状がAI等の技術力をつけ自動化できた場合潜在能力は物凄い可能性を秘めています。
内閣府発表のロボット密度で比較した場合、中国はアメリカの1/3で戦っています。
将来的にAI+ロボットを生産性向上に取り入れた場合の伸びしろは物凄いです。
国家主導で、AI投資を加速し足元では、改善需要の高い土壌が広がっている!こんな魅力的なマーケットはないですね。
中国の成長の最大の要因はチャレンジング精神
ここまでテクニカルな数値で読み取れる中国のAIの脅威を解説しました。
しかし、中国のAI産業が脅威になる決め手は、中国人のチャレンジング精神です。
中国のチャレンジングスピリッツを感じるシェア自転車とその残骸
写真で一目でわかるここまでの失敗。日本の常識で考えられるでしょうか?
個人的にこれは物凄い成果と感じます。挑戦無き所に成功はありません。
日本であれば、失敗をおそれここまで果敢に迅速に失敗に挑めたでしょうか?
シェア自転車だけではなく、WECHATやアリババ等のスタートアップも猛烈な勢いで成長を遂げた背景には、無数の失敗もあったからです。
アメリカンドリームならぬチャイニーズドリーム精神こそ中国のAI産業を加速度的に成長させ脅威と思わせる理由の1つです。
中国のチャレンジング精神が感じられる取り組みを紹介します。中国では一部の企業で工場へのAI及びマテハンの導入が進んでいます。
Warehouse #robots working along side #humans in #China
— Harold Sinnott 🇺🇸 (@HaroldSinnott) May 31, 2019
via @MikeQuindazzi #ai #robotics #iot #automation #futureofwork #digital #AutonomousVehicles #iiot #bigdata #EmergingTech cc @sallyeaves @andi_staub @SpirosMargaris @mvollmer1pic.twitter.com/EEav5W7h4F
他にも、規模は違えど、中国ぽいなとおもうようなマテハンの導入の挑戦も始まっています。
More #Robots in #China are busy sorting parcels >>> @MikeQuindazzi >>> #ai #ecommerce #robotics #onlineshopping #fintech >>> #4IR pic.twitter.com/LLPUcGVxun
— Jean-Yves Gonin (@jeanyvesgonin) May 8, 2019
中国はアメリカを超えるか?『IT投資分析で見る』2国の未来まとめ
中国とアメリカの未来を占う上でIT産業は重要なカギを握っている。AI産業で両国の施策を分析した場合、中国が国を挙げAI産業に注力している事に凄まじい可能性である。特許数申請数等数値に現れている成果も既に見受けられる。
中国が持つ膨大な生産能力の自動化が加速すれば一気にゲームチェンジが起こりうると容易に想像できる。