テクノベート 社内SE基礎講座

1-5 ITの重要性|日本のイノベーションは生まれない課題・現状

テクノベート

日本のイノベーションは世界比較でどんなポジションにいるの?

今後日本はどうなっていかなければいけないの?

と言った疑問にITの視点で答えます。この記事を読むことで、世界比較で日本の置かれている海外比較で遅れているイノベーションの課題を理解できます。さらに、記事後半で日本のITとしてどういった行動が求められているのか理解することが出来ます。

✔記事の信ぴょう性

米にてシステムエンジニア→現、某一部上場企業の情報システム部門、社内SE管理職として活躍中。グローバル基幹システムの開発・導入(15か国)を経験。海外での10年以上の経験・グローバルでの大規模システム開発の経験から見えてきた日本の課題を発信します。

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日本のイノベーションの課題|アメリカ・中国の約50%

出所:eiicon

日本と海外の売り上げに占める事業構造の違いから見てみます。あえて2009年のちょっと古いデータから考察を始めます。

上記の図で、日本とアメリカ・中国の新規事業・既存事業の構成の違いが明らかです。

日本・中国・アメリカの新規事業・既存事情の売上比率

日本:  既存93.4% 新規6.6%
アメリカ:既存88.1%  新規11.9%
中国:  既存87.9%  新規12.1%

日本の経済大国としての成長は終わっている事実を物語っている数字です。

日本の新規事業=イノベーションで作られる売上が圧倒的に少ないです。

アメリカ・中国の半分程度です。

アメリカ・中国は新しい領域のビジネスで価値を創出し今も成長している様子がうかがえます。一方、日本は停滞している=日本との差がどんどん開く可能性があることを示してます。

まずいですね。

GDPで中国に抜かれてしまった日本ですが、成り行きでいくと差が広がる一方となります。

2013年→2016年で日本企業も努力し新規領域を拡大

以下の図は、左が2013年の売り上げに占める既存・新規領域のビジネスの構成を表し右が2016年の様子です。2013年には6.6%だった新規領域は、2016年には14.1%まで増加しています

出所:eiicon

数字上は改善?に見えます。

本当にそうでしょうか?新規事業領域の中身を見てみましょう。

日本のイノベーションは既存領域の拡大が75%

日本とアメリカの企業の新規領域を『周辺領域』or『革新領域』で構成されているか調査したものです。

・『周辺領域』=自社にとって新しいが市場にとって既存
・『革新領域』=市場にとっても新しい商品・サービス
と定義しています。

以下の画像ご覧ください。。。。涙

出所:eiicon


左の日本企業:
14.1%の新規領域の内、75.3 %は既存領域の拡大です。
つまり、イノベーションは実際には24.7%のみです。

右の米国企業:
11%の新規領域の内、54.5%もが革新的イノベーションです。

圧倒的な差が見て取れます。

日本の時価総額TOP10で見るイノベーションが進んでいない実態

上記事実が、日本企業の評価=株価にも表れています。

以下に2枚の画像があります。
1枚目は
・左 日本の2007年(左側)時価総額トップ10
・右 日本の2017年(左側)時価総額トップ10
です。

日本の2007年と2017年の時価総額トップ10。ランキングの企業はほとんど変化がない
出所:Impress

顔ぶれがほぼ一緒な事実を読み取れます。

次にグローバルでの時価総額を見てみます。

・左 グローバルの2007年(左側)時価総額トップ10
・右 グローバルの2017年(左側)時価総額トップ10
です。

グローバルの2007年と2017年の時価総額トップ10。アップルやグーグルといった強力なブランドがランキングを塗り替えた
出所:Impress

グローバルでは、IT新しい産業でゲームチェンジが巻き起こっていることが痛感できます。

なぜ日本のイノベーションは停滞してしまったか?

理由は2つあると考えます。それぞれの理由の考えた根拠を解説していきます。

その前に一般的に言われている以下の【イノベーション阻害要因】がではないと考えるか、から回答します。

一般的に言われている日本のイノベーションの課題と否定


・島国である→他にも島国は沢山ある
・日本人の文化・国民性→80年代はなぜイノベーションできた?
・ITリテラシーが低い→確かに低い側面もあるが全員ではない

上記の一般的に言われている【イノベーションの阻害要因】の本質ではないのか、をご理解いただけたのではないでしょうか。

もっと根深い問題があると考えられます。ということで、2つの日本におけるイノベーションの阻害要因を解説していきます。

日本のイノベーションが進まない原因

①住みやすい国へと日本は変貌し国民の危機感がなくなった
②投資から貯蓄へのマインドが定着

1.住みやすい国へと日本は変貌し国民の危機感がなくなった

高度経済成長の日本は戦後の復興とあいまって国中活気であふれていました(当時生きていたわけではないので資料による情報です)。

日本を代表する企業ほぼ同時期に生まれています。参考:日本は戦後の第二創業に挑戦を―  中小・零細企業に期待


戦後の復興時、国民総動員で何かしなければ!海外に追いつけおいこせ!という危機感が日本のイノベーションを支えていたと感じます。

一方、現在では先進国になってしまい・更に世界一といっても過言ではなくらい安全国となった状態ゆえに安住してしまっていると感じます。

2 投資から貯蓄へのマインドが定着

日本では失われた20年という言葉を耳にします。

アベノミクス効果で株価は20年ぶりに大きく上昇しました。

さらに、オリンピック効果で実体経済も少しではありますが改善の兆しもあります。

しかし、諸外国と比べると成長は鈍化?むしろ、後退しているのは明らかです。

中国では毎年給料が5%とか10%とか上がる人もいます。

日本の給料は微増が当たり前・もしくは、横這いもあり得る現状です。

このような状態で、人々のマインドが投資から貯蓄への意識を定着させてしまった点、さらに、そのマインドを今でも払拭できない点にあると感じます。

投資が出来ない=イノベーションが起こらないという構図は自然です。

日本人が直面している危機・ゲームチェンジの構図

日本を取り巻く危機の現状は以下です。

・日本の遅れているデジタルトランスフォーメーション
・既得損益でがんじがらめの日本

日本の遅れているデジタルトランスフォーメーション

以下の記事でご説明したように、海外ではITを軸に急速に産業改革を推し進めています。しかし、日本はいまだに様々な業務で紙文化が存在しています。コロナの影響で急速にDXの重要性を理解し少しづつではありますが改革が動き始めている機運もあります。

しかし、やはりIT従事者としては日本の遅れているITのものさしを一旦わすれグローバルで思考する必要があります。

既得損益でがんじがらめの日本

海外では情報技術が飛躍的に発展してきました。その影響で特にITの分野では既得損益が少なくイノベーションを生み出しやすい土壌が整っています。

例:発展途上国では家電よりスマホが先に進化

結果
・世界の最新情報を入手可能
・経済を発展への情熱・活気
・インフラ等、既存権益しがらみがない

日本人はこの事実から何を学ばなければいけないのか?を深堀します。

なぜこの実態が日本への危機なのか?

日本の電子部品の歴史といえば、

1950年代後半、白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫の家電3品目が『三種の神器』と呼ばれ誰もがこぞってもとうとしました。白黒テレビは町に1つあればだれもが集まってみていたそうです。まだ、コミニケーションインフラは未発達でした。 テレビの歴史

その後、パソンコンがビジネスから大衆向けになりました。更にはポケベルから、phpとコミニケーション手段は進化し、ガラケーが生まれました。コミニケーションは手段はどんどん容易になっていきました。そして、現在のスマホが登場しLINE・TWITTERを活用しリアルタイムのコミニケーションに発展したのが日本の通信歴史です。

これが、日本が経験してきた情報化社会・現代への流れです。

一方後進国は全く違う道のりを歩みました。

日本が経験したような、順を追うコミニケーションの発展がありません。スマホの登場までは、電話も一台しかなったような町=情報弱者が、スマホを介して最新の情報を手にしました。

スマホでは有線を引く等のインフラも必要なく社会インフラが整っていない国でも発展が浸透しました。

発展途上国がスマホで最新の情報にアクセスできる状態は、日本の通信の歴史をスキップした状態です。

ITの重要性|日本のイノベーションは生まれない課題と現状まとめ

日本のイノベーションの現状は海外に比べかなり劣後しています。イノベーションの中心はITでありSE・社内SEとしては日本の進まない改革に目を向けるのではなく、海外の競合に目を向け日々の業務に取り組む必要があります。

ここまで1章でIT従事者に必要なITの基礎知識に関して解説してきました。そもそもITとは?から始まり、業界の構造、日本の遅れている現状を理解できたのではないでしょうか。